今回は、人前で話をしているときなどに、途中で「言葉がうまく出てこない」状態になってしまう悩みの仕組みについて、お話ししたいと思います。
※この悩みには、幾つかの仕組みが関係していますが、今回は話を「レキシコン」というものに限定します。
これを読んで下さっているあなたは、過去にこのようなご経験があるかもしれません。
「プレゼンの時、言葉がすぐに頭に思い浮かばない」
「話の途中で言葉(セリフ)が飛んでしまった」
「言いたいことはあるのに、適切に表現ができなかった」
・・・
この「言葉がうまく出てこない」「伝えたいことをすぐに表現できない」という問題には、実は、背景に科学的な仕組み(メカニズム)があります。
※この仕組みをしっかり理解したうえで適切なトレーニングをすれば、言語化の悩みは必ず解決することができます!
ですので、安心してもらえたらと思います。
・・・
この仕組みを理解するうえで、ぜひ覚えておいてほしいキーワードが一つあります。
そのキーワードとは、レキシコンというものです。
※このレキシコンというキーワードについては、話し方研究会のイベントでも、必ずご紹介しています。
さらに詳しく知りたい!という方は、ぜひ勉強会に参加してみて下さいね。
勉強会の詳細・最新スケジュールはこちら
・・・
レキシコンとは、人間の脳内に含まれる、語彙(ボキャブラリー)の集まりのことを言います。
この言葉は、メンタル・レキシコン(心的な辞書)とも呼ばれ、心理学/言語学/認知科学などの分野で使われることがあります。
人間は、会話をする/文章を書く/歌を歌う/など、
普段から様々な言語活動をしていますが、この過程にレキシコンというものが関わっています。
こちらのスライドを参照してください。
このレキシコンについて、もう少しイメージを膨らませるために、簡単な実験をしてみたいと思います。
次の質問の答えを考え、声に出してみて下さい。
答えは、何でもOKです。
質問:「あなたが好きな食べ物は、何ですか?」
・・・
しっかり声に出してもらえましたか?
では、ここでは、かりに「カレー」とお答えになったとしましょう。
ここで少し考えてみたいのは、この語彙「カレー」は、いったいどこから来たのか?ということです。
この例でいうと、この「カレー」という言葉は、
先ほど登場した脳内のレキシコンのなかに含まれていたもの、なのです。
もし脳内に、予め言葉が保管されていなかったとしたら、なぜそれをすぐに口に出して話せるのか、うまく説明ができないですよね。
つまり、私たちが「話すこと」をするときには、背景にこのような仕組みが存在するのです。
◆話すこと=言語化ができる仕組み
1.人間は、大量の言葉を脳の中にプール(保管)している
※これをレキシコンと呼ぶ
2.このレキシコン=言葉のプール、保管庫から、必要な言葉を探してピックアップしてくることで、「話すこと」ができる
・・・
以上の話を踏まえて、この記事の冒頭の「言葉がうまく出てこない」という悩みについて、改めて考えてみたいと思います。
このレキシコンの仕組みから考えると、
「人前で話すとき、言葉がうまく出てこない」
「言葉に詰まる、すらすら話すことができない」
「自分が伝えたいことを、上手に表現できない」
この悩みには、大きく2つの原因パターンがあると考えられます。
↓ ↓ ↓
◆言葉がうまく出てこない2つの原因パターン
①レキシコンに、必要な語彙が十分に含まれていないパターン
②レキシコンに、十分な語彙が含まれているが、うまく使えないパターン
パターン①は、自分が伝えたいことを表現するための適切な語彙が、そもそもレキシコンのなかに存在しない、というケースです。
◆レキシコンのイメージ図(再掲)
※左下の部分をご覧下さい。
先ほどの事例でいうと、「好きな食べ物は?」と聞かれたとき、
そもそも「カレー」という言葉が、もしあなたのレキシコンに含まれていなかったとしたら、
答えとして話すことができなかったはずです。
このように、脳に必要な言葉が保管されておらず、語彙が不足してしまっている場合、「言葉がうまく出てこない」という状態になってしまいます。
このパターン①は、比較的分かりやすいですね。
・・・
もう一つのパターン②は、少し厄介です。
言葉がうまく出てこない原因の、2つ目のパターンは、
②レキシコンに、十分な語彙が含まれているが、うまく使えていない
というものです。
この原因パターンは、かなり多いケースであるものの、恐らく一般的には、殆ど明確には理解されていないのではないかと思います。
実は、もしかりに脳内の言葉のプール(レキシコン)に、十分な量の語彙が保管されていたとしても、
すべての語彙を常に自由に使いこなせるとは、限らないのです。
これは、一体何故なのでしょうか。
・・・
この理由には、想起率というものが関わっています。
想起率とは、ここでは「言葉を思い出せる確率」のことだとお考え下さい。
私たちの脳内の語彙には、それぞれ「思い出せる確率」のようなものがあって、
言葉を思い出せることもあるけど、思い出せないこともある、
思い出しやすい語彙もあるが、思い出しにくい語彙もある
という風になっているのです。
◆想起率のイメージ図
絶対に、いつでもパッと頭の中に思い浮かべられる訳ではないのですね。
先ほどの事例でいうとすると、
「あなたの好きな食べ物は、何ですか?」
このように質問されたとき、頭の中ではイメージできているけれど、
「カレー」という言葉を思い出せずに「えーっと、あれなんて言うんだっけ…」とど忘れしてしまうことがありえる、ということです。
また例えば、このような課題をもらったら、どうでしょうか。
あなたが過去に行ったことがある、好きなお店(レストランなど)の名前を、できる限り多く挙げて下さい。
恐らく、すべて挙げてくれと言われても、なかなか難しいのではないでしょうか。
きっと、「あのお店、何て名前だったかな…」と言えないものがあると思います。
でも、その名前を聞いたら「ああ、それだ!」と思い出せるでしょう。
このように、脳内に言葉が保管されているけれど、頭の中に思い浮かばないケースは多々あります。
・・・
「人前で話すとき、言葉がうまく出てこない」
「自分が伝えたいことを、表現できない」
こうした悩みの背景には、上記のようなレキシコンというものが関係する仕組み(メカニズム)があります。
今度は、話すこと・言語化の悩みを解決するための、具体的な方法を考えてみましょう。
改めて確認すると、レキシコンに焦点を当てると、次の2つの原因が考えられます。
↓ ↓ ↓
◆言葉がうまく出てこない2つの原因パターン
①レキシコンに、必要な語彙が十分に含まれていないパターン
②レキシコンに、十分な語彙が含まれているが、うまく使えないパターン
パターン①は、そもそもレキシコンのなかの語彙が不足している状態です。
このケースの解決方法は、シンプルです。
新しい語彙をインプットし、補給すればいい、ということになりますよね。
・・・
そして、もう一つ。
パターン②は、レキシコンの中に十分な語彙があるにも関わらず、自由に使いこなせていない状態です。
このケースの解決策は、少し難しいのですが、次のように表現できます。
◆言葉がうまく出てこない原因パターン②の解決方法
②レキシコンに、十分な語彙が含まれているが、うまく使えないパターン
↓ ↓ ↓
②の解決法➡脳内で眠っている大量の語彙(レキシコン)を、呼び起こす!
言葉がうまく出てこない原因のパターン②は、言い換えると
脳内の語彙(レキシコン)が眠ってしまっている状態です。
※先ほどの用語でいうと、レキシコンが全体的に想起率が低い状態と言えます。
この大量の語彙(レキシコン)をしっかりと活性化して、呼び起こすことができれば、「言葉がうまく出てこない」という悩みは、解決することができます。
これこそが、プレゼンなどで言葉がうまく出てこない悩みの、本当の解決方法です。
・・・
ここまで、かなり長い説明になってしまいましたが、
プレゼンなど人前で話すとき、
言葉がうまく出てこない・すらすら話せない悩みの背景にある仕組みについて、
簡易的なものではありますが、お話しさせていただきました。
人前で話すときの言語化のメカニズムについて、大まかなイメージを掴んでいただけたでしょうか?
・・・
ここでもう一点だけ、お伝えしなければならないことがあります。
話す力を大幅に高めるためには、このような仕組みを理解したうえで、脳内の語彙(レキシコン)を呼び起こすことが必要です。
ただ、これは本当に効果的な方法・アプローチを知らないと、結構難しいところです。
本当は、
「すぐに、簡単にできますよ!」
とお伝えできればいいのですが、決して簡単とは言えないのです。
実際、私自身は新しい効果的な方法を見つけるまで、全然うまく話せずに本当に何年も苦労しました…(苦笑)
もし本気で話す力・言語化力を高めたいと思ったら、効果的なトレーニングを見つけたうえで、ある程度の期間は練習する必要があるのです。
ただ、効果的な方法を見つける、という部分については全く問題ありません。
何年か前に、強力な方法論&アプローチを開発したので、
この方法を学んでいただければ、「言葉がうまく出てこない/すらすら話せない」という悩みは、完全に解決することが可能です。
この方法は、短期間で効率的に、言語化力を極限まで高めることができる新しいアプローチです。
この方法については、私の講座・勉強会のなかで、詳細に分かりやすく解説しています。
完全に独自の考え方・方法論なので、ほかの場所では学ぶことができません。
もし、
「もっと上手に話せるようになりたい」
「自分の考えを、自由に表現できるようになりたい」
「言葉がうまく出てこない/すらすら話せない」
このような考えや悩みをお持ちの方は、ぜひ勉強会にご参加下さい。
私から、具体的にどんな考え方・アプローチをすればいいのかを、しっかりとお伝えさせて頂きます。
いま、どれほど話すことに苦手意識を持っている方でも、大丈夫です。
勉強会は、オンライン(Zoom)または対面・オフラインで行います。
最新のスケジュールを、こちらのページで掲載しているので、ぜひご確認下さい。
↓ ↓ ↓
最新スケジュールはこちら
また勉強会は、下記のLINEアカウントからご参加いただけます
➡話し方研究会・無料LINEグループ
◆話し方研究会/勉強会イメージ(対面)
コメント