人前で話すとき、こんな悩みはありませんか?
「緊張すると呼吸が浅くなる」
「人前で話すとすぐに息が苦しくなってしまう」
「長時間、話し続けることができない」
「文章の最初は強く発声できるけれど、最後の方になると声が小さくなる」
今回は、こうした悩みを解消するために呼吸を深める方法をご紹介します。
![プレゼン研究所](https://speech-labo.com/wp-content/uploads/2024/06/a29684775d80b23b3cd74759d0a2cbf9.png)
今日は、人前で話すときに息が続かないという悩みを解消する方法をご紹介します。
この記事は、こんな方におすすめです。
✓呼吸が浅く困っている方
✓プレゼン時に息が続かなくなってしまう方
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呼吸の深さを確認するロングトーン・チェック
まず最初に、現在のあなたの普段の「呼吸の深さ」を確認してみましょう。
ロングトーン・チェックという、発声の練習方法があります。
これはボイトレの時によく使われ、呼吸・発声の安定性や持続性を確認するものですが、プレゼンの練習でも役立ちます。
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ロングトーン・チェックのやり方は、非常にシンプルです。
ワークのやり方
ステップ①ストップウォッチを用意して下さい。
ステップ②できる限り長く「あ~~~~~」という発声を維持してみてください。
何秒ほど発声を続けられたでしょうか?
以下に秒数の目安を記載してので、確認していきましょう。
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ロングトーンの目安
ロングトーンの持続時間の目安を確認していきます。
この目安は、初心者の方向けで、初めてロングトーンの練習に取り組む方向けのものになります。
◆5~10秒ほど
10秒ほど持続する場合、日常会話では特に困らないのですが、
10秒以内の場合は、プレゼンでは心もとなく、不十分です。
規模は様々ですが、プレゼンでは、複数の人々の前で話す状況に置かれ、いつもより息が上がりやすくなります。
そのため、これからさらにプレゼンの上達を目指したい方は、この秒数は「呼吸が浅い」と判断するのがおすすめです。
◆10~15秒ほど
10~15秒は、呼吸の練習を始めるうえで、スタート地点になります。
10秒以下から始めた場合は、以下でお伝えするように身体の柔軟性と横隔膜の動きを意識しながら、15秒維持できるように練習をしてみて下さい。
◆15~20秒
10秒ほどの時よりもほんの少し呼吸が深まっています。
10秒以下からスタートした場合、「15秒」はまず最初に突破したい目安です。
その後、20秒に近付けていきますが、平均して20秒以上持続できれば、スタートの「10秒」よりも2倍の余裕ができているので、プレゼンの練習をするときも少しだけ
話しやすくなっているのが実感できます。
◆20~30秒
呼吸が少しずつ深まってきています。
平均して20秒以上が当たり前になったら、徐々に難易度が上がりますが、25~30秒まで持続することを目指します。
◆30~40秒
ある程度呼吸が深まり始め、持続時間が長くなっています。
30秒以上は、プレゼンで安心できる持続時間であるといえます。
また実際に、プレゼン中に喋ることができる文章(テキスト)のボリュームが明らかに増えるので、だいぶ話しやすくなります。
話し手(プレゼンター側)は、どれほど価値ある内容を聞き手に届けようとしても、
呼吸&発声が安定していないと、聞き手にしっかりとメッセージを伝えることが難しくなってしまうので、
このロングトーン・チェックは、プレゼンの上達に不可欠です。
現在の具体的な数字を把握できたら、ロングトーンを続けてできる限り持続時間を増やすようにしてみて下さい。
私もこのトレーニングは、継続的に取り組むようにしています。
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大まかな平均の持続時間を把握できたら、
今度は、呼吸を深めるためのトレーニングに取り組んでいきます。
ここでは、横隔膜を動かすトレーニングをご紹介します。
横隔膜のトレーニング
「呼吸が浅い」と感じた時、まず注目して頂きたいのが横隔膜です。
横隔膜は、呼吸筋の代表格で、呼吸の深さに密接に関係しています。
横隔膜のかたまってしまい、動きが鈍っていると、呼吸が浅くなります。
ところが、横隔膜は感覚神経がないため、普段の生活の中でその存在感や動きをハッキリ感じることが少し難しいところがあります。
プレゼンのとき、「息が続かない」と感じたときは、まず「横隔膜があまり動いていないのでは?」と考えるようにしてみて下さい。
そのうえで、横隔膜の位置と形を確認したうえで、かたくなった横隔膜をほぐし、よく動くようにトレーニングをしていきます。
※横隔膜の位置と形
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横隔膜は、このスライドに書かれているように、胸腔と腹腔の境界に位置します。
横隔膜は、ドーム状の形、傘のような形をしていることで有名ですが、
身体の前方から見た場合、高さ的には、
大体「みぞおち~肋骨の下のハの字にカーブしている部分」に横隔膜は位置しています。
横隔膜の位置と形をイメージできたら、以下のトレーニングを行ってみて下さい。
◆横隔膜を動かすトレーニング
ステップ1.横隔膜の位置を確認し、ドームの形をイメージして下さい。
ステップ2.お腹を膨らせる&凹ませる運動を何度も繰り返し、徐々に肋骨の下部やみぞおちの辺りまで意識を向け、横隔膜を刺激して動かして下さい。
こちらの記事で、横隔膜を動かし、機能を取り戻すシンプルなトレーニングをご紹介しています。
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先ほどお伝えした通り、「横隔膜は動きを意識しにくい」ところがあります。
そのため、このようにお腹の動きを借りながら、少しずつ「横隔膜のイメージ」をできるようにすることが重要です。
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発声に効果があるストレッチ
プレゼンの時「息が続かない」という悩みがある場合、
呼吸が浅くなっている、という可能性ももちろんあるのですが、
「喉が締まる」話し方をして、息苦しくなってしまう、という方もいると思います。
この場合、喉を締めない話し方を練習する必要があるのですが、
以下では、そのために効果的なストレッチを2種類ご紹介します。
一つは、舌ベロのストレッチで、もう一つは、上半身のストレッチです。
舌根のストレッチ
日常会話やプレゼンのシーンで、喉が締まりやすい場合は、舌ベロの付け根(舌根)がかたくなっている可能性が高いです。
舌ベロは主に筋肉でできていて、前方2/3の舌体と、後方1/3の舌根に分けられます。
舌根は、舌の付け根の部分で、この部分の柔らかさは発声に大きく影響します。
呼吸を深めるためのストレッチや横隔膜のトレーニングも大事ですが、
こうした柔軟を行っていても「喉で喋る」話し方になってしまう場合、舌根に注目し
以下の舌根のストレッチ方法を試してみて下さい。
◆舌根のストレッチ方法
舌先を、前方・斜め方向・横方向などの各方向へゆっくりと時間を掛けて伸ばします。各方向で数十秒、できれば数分ほど掛けてください。
付け根部分(舌根)を伸ばし、ほぐすのが重要です。
※喉の力はできる限り抜いて下さい。
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上半身のストレッチ
喉が締まって息苦しくなってしまう話し方を改善するうえで、
上記の舌根のストレッチとともに、私が個人的に最も効果を感じられたのが、
次の上半身のストレッチ方法です。
背中を、左右交互に前方に傾けながら、泳ぐような動きでほぐしていく方法です。
◆上半身(背中)のストレッチ方法
1.上半身を軽く前方に傾けながら両手でつま先を持つ。届かない場合、足首を掴む or 膝に手を当てる形でOK。
2.ゆっくりと息を吐きながら上半身を前屈させ背中の筋肉を伸ばす。
3.両手でつま先を持ち、右膝と左膝を片方ずつパタパタと曲げ身体を揺らしながら、背中を右側・左側片方ずつ前屈して泳ぐような動きで上半身を伸ばす。
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最後に
プレゼンのとき、息が続かないととても苦しく感じてしまいます。
私ももちろん経験があるのですが、今回ご紹介したような方法で少しずつ改善できた実感があるので、気になる方はぜひ試してみてください。
少しでもご参考になれば嬉しいです。
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