今回は、プレゼンにおけるジェスチャーの練習方法をご紹介します。
スピーチやプレゼンにおいて必要なスキルは、大きく言語化スキル/非言語的なスキルの2種類に分けることができます。
前者の言語化スキルとは、文字通り話し手が自身の考えやメッセージを言葉に置き換えるスキルです。
後者の非言語スキルは、主に聞き手に視覚的情報を通じて伝達するスキルです。
非言語には、例えば、表情、姿勢、ジェスチャー、スライド資料などの視覚的な表現が含まれます。
今回は、このなかで非言語的な表現として重要なジェスチャーの練習方法をご紹介します。
![プレゼン研究所](https://speech-labo.com/wp-content/uploads/2024/06/a29684775d80b23b3cd74759d0a2cbf9.png)
今日は、視覚的な表現であるジェスチャーの上達方法をご紹介します!
この記事は、こんな方におすすめです。
✓言語化スキルを磨きたい
✓プレゼンを上達したい
✓プレゼンの上達方法を学びたい
✓言語化のメカニズムを学びたい
✓人前で自信をもって話せるようになりたい
✓自分の意見や考えを言葉で伝えられるようになりたい
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ジェスチャーの全体像
ジェスチャーを効率的に上達するには、「ジェスチャーの全体像」を把握することが重要です。
ジェスチャーの全体像は、こちらの記事で解説しているため、ぜひ読んでみて下さい。
![](https://speech-labo.com/wp-content/uploads/2024/06/27bd96156d3a2f1357de7b49e389271c-160x90.png)
ここでは、全体像の把握は割愛して、ジェスチャーの分類方法のみ、振り返りたいと思います。
ジェスチャーを習得するには、まずこのようにジェスチャーの種類を分けて把握するのが一番の近道です。
ジェスチャーの分類
ジェスチャーは、次のように大きく2つに分類して考えることができます。
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①調整的ジェスチャー
②指示的ジェスチャー
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①調整的なジェスチャー
プレゼンターが話すとき、喋りのリズムやテンポを調整する役割をもつ身振り手振りを、調整的なジェスチャーと言います。
これはプレゼンの中で、自然な身体の動きによって、間をとったり、緩急をつけたり、スピードを変えるときの話し方に連動させて行う身振り手振りです。
②指示的なジェスチャー
指示的なジェスチャーとは、具体的な指示対象がある身振り手振りのことです。
例えば、
「3」や「5」のような数字、
「本」や「パソコン」のようなモノ、
「読書」「執筆」のような行動、
「期間」や「推移」のような時間の幅や流れ、
「大小」や「前後」のような空間的な量や位置関係、
これらはすべて、姿勢・表情・手の形や動きによって、直接的または間接的に、表現することができます。
このとき個々のジェスチャーは、具体的な指示対象を持っています。
これが指示的なジェスチャーです。
ジェスチャーは視覚的な表現であり、言葉だけで伝えることは難しいので、イメージを共有するために、参考動画をご紹介します。
※参考動画:
人間行動学の世界的な権威として知られるジョン・F・ディマティーニ博士の動画です。
この動画を見ながら、今お伝えした、
①調整的なジェスチャー
②指示的なジェスチャー
この2つのジェスチャーを判別してみて下さい。
恐らく、この両方が色々なシーンで組み合わせて使われていることにお気付きになると思います。
※この分類方法については、下記スライドの左側を参照して下さい。
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ジェスチャーの練習の方向性
先ほどの分類を振り返ってみると、
調整的なジェスチャーは、プレゼンの内容に関係なく使用できますが、
指示的なジェスチャーは、プレゼンの内容によって、どんなものが使えるかが変わってくることが分かります。
そのため、こうした分類方法を採用することで、ジェスチャーの練習が格段にやりやすくなります。
方向性としては、
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まず①調整的なジェスチャーを練習し、
次に②指示的なジェスチャーを少しずつ取り入れる
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こんな風に練習をするのがおすすめです。
ジェスチャーの練習方法
ジェスチャーの練習方法は大きく分けて3つあります。
①モデリング
第一の練習方法は、モデリングです。
ジェスチャーについては、一番効果的なのは、このモデリングだと思います。
私の場合は、プレゼンの方法だけでなく、ジェスチャーも、先程のディマティーニ博士の動画を参考にさせてもらっています。
こういう海外のプロの講演家の方でもいいですが、例えば、俳優さんとか、お笑い芸人さんなど、テレビに出てる方とかでもいいと思います。
プレゼンが上手で身振り手振りが洗練された人や、「人に見られる仕事」をしている方を参考にするのがおすすめです。
②パターン化
第二の練習方法は、パターン化です。
あなたがプレゼンで話す内容のなかで、よく使う言葉やフレーズがないかを探して、
それを表現する身振り・手振りの型(パターン)を考え、動きを再現してみて下さい。
先ほど、指示的なジェスチャーという用語をご紹介しましたが、
使用する頻度が多いジェスチャーを一つずつ増やしていくことで、確実にプレゼンのなかで使える動きが増えていきます。
例えば、私の場合、哲学的な考え方として「観点(パースペクティヴ)」という抽象概念を使う頻度がかなり高いのですが、
この「観点」を表現するためのジェスチャーを決めていて、いつも使うようにしています。
このように、よく使う言葉や概念があれば、パターン化しておくのがおすすめです。
③客観的に見直す
最後に、とても重要なのが、自分の姿を撮影してチェックすることです。
面倒に感じることもあるし、結構大変なんですが、、、本当に重要です。
表情や姿勢、ジェスチャーは、自分では自然にできていると思っていても、客観的に見てみると不自然だったりすることがよくあります。
例えば、私の場合、以前に自分のプレゼンの様子をチェックしたとき
手が必要以上に動いていて落ち着きがないように見えるな、と感じたことがありました。
このように、「ジェスチャーが洗練されているか否か」という視点で、自分の姿を厳しく、客観的にチェックするのがおすすめです。
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最後に
今回は、非言語スキルであるジェスチャーの練習方法をまとめました。
非言語スキルであるジェスチャーの練習を重ねることで、
言語化スキルの部分がサポートされ、より力強く話しやすくなると思いますので、ぜひ試してみて下さい。
少しでもご参考になれば嬉しいです。
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