スピーチの本当の目的とは何か?

プレゼンの考え方

 

こんにちは、馬渕です。

 

今回は、スピーチの構成を考えるうえで重要な視点や考え方の一つをご紹介します。

 

 

スピーチの様々な目標

 

話し手には、通常、スピーチやプレゼンを通じて達成したい目標があると考えることができます。

 

例えば、

 

特定の分野・テーマの講座を開催する場合

➡特定の分野・テーマの知識、情報、考え方などを伝えたい

 

ビジネス・シーン

➡商品・サービスに関心を持ってほしい

 

コーチングのシーン

➡クライアントに具体的な行動を起こしてほしい

 

学会発表のシーン

➡自分の研究成果の独自性や新規性を訴えたい

etc…

 

このように、具体的な目標として様々な可能性が考えられますが、

 

実は、スピーチやプレゼンには、このような個々の具体的な目標よりも、さらに根本的なレベルに共通の目的が存在します。

 

それは、聞き手に対して、新しい気付きを与えること、あるいは新しい気付きを得るきっかけを与えることです。

 

スピーチによる聞き手の認識の変化

 

スピーチとは、より根本的なレベルから捉えると、聞き手の「認識の変化・変容」に関わる活動である、と考えられます。

 

なぜなら、スピーチの話し手がどのような意図・目標を持っていたとしても、

 

聞き手がそれによって新しい気付きを得て、認識が変化しなければ、これまでと異なる新しい考えを持ったり、自発的な行動が起こることはないからです。

 

・・・

 

例えば、あなたがあなたがビジネスに取り組んでいて、自分が提供している商品・サービスについて、このように考えているとします。

 

もっと多くの人々にこの商品・サービスの素晴らしさを知ってもらい、そして、実際に購入して欲しい。

 

では、スピーチの聞き手がその商品・サービスを知り、実際に購入するまでに至るには、何が必要でしょうか。

 

(認識の変化)「なるほど、このサービスを受ければ、~~~が実現できるかもしれない」

 

 ↓ ↓ ↓

 

(行動の変化)「このサービスを受けたい、購入しよう!」

 

このように、聞き手の行動の変化には、それに先立つ認識の変化が必ず伴います。

 

 

・・・

 

このように、「スピーチの話し手がどのような意図や目標を持っていたとしても、聞き手側が新しい気付きを得て、認識の変化・変容が起きることによって、初めて行動の変化も起こりうる」とするならば、

 

聞き手側の認識の変化・変容という視点は、スピーチの構成に深く関係している事になります。

 

 

スピーチのモデル・組み立て

 

このようにスピーチの根本的な目的とは、「聞き手の認識の変化・変容」を促すことにある、と考えた場合、次のようなスピーチのモデル・組み立て方を考えることができます。

 

1.初期認識(所与の認識)

まず、スピーチの聞き手には、そのスピーチで話されるテーマについて予め抱いている印象・理解・考え方があります。

 

これを当サイトでは、初期認識と呼ぶことにします。

 

2.過程認識

次に、スピーチの聞き手は、そのスピーチを聞きながら色々な気付き・理解などの認識の変化のプロセスを経験します。これは過程認識と呼ぶことにしましょう。

 

3.最終認識(目的認識)

最後に、聞き手は、そのスピーチのテーマに関する最終的な印象・理解・考え方などを持つようになります。これを最終認識と呼ぶことができます。

 

話し手の側からすると、聞き手が最終的に持つ認識(最終認識)は、聞き手に持ってほしい認識=目的認識です。

 

 

 

 

1.初期認識

スピーチ、プレゼンで扱われるテーマについて、聞き手が予め抱いている印象・理解・考え方などのことです。

 

2.過程認識

過程認識とは、スピーチ、プレゼンを聴きながら、聞き手の中で少しずつ変化していくそのテーマについての理解など。

 

2.目的認識

目的認識とは、スピーチ、プレゼンが終了する時に、聞き手がそのテーマについて持つ最終的な理解・考え方・認識。

 

 

聞き手の認識の変化の事例

 

スピーチの聞き手側の認識の変遷について考えるために、次のようなシーンを想定してみましょう。

 

話し手;A氏

A氏は、国内でマイナーなスポーツ(S)に取り組んでいる。

 

スピーチ内容;

スポーツ(S)の普及のためのスピーチを行いたい。

 

A氏は、スピーチを行ううえでこんなことを考えています。

 

・Aというスポーツに興味を持ってほしい

・Aというスポーツを色々な人に知って欲しい

・もっと競技人口を増やしたい

 

すると、A氏はスピーチを行う前に、次のような聞き手の認識の変化を想定できるでしょう。

 

初期認識 ➡「スポーツSって何だろう?/初めて聞いたな/よく分からない」

 

↓ ↓

 

目的認識 ➡「Sっていうスポーツ面白そう、やってみたい」

 

このように、聞き手側の認識の変化を前提として、スピーチの目的を明確にすることで、全体の構成を考え易くなるでしょう。

 

 

最後に

 

スピーチ、プレゼンの質を高めようと考えた場合、全体の構成を上手く組み立てるための設計の考え方が必要になります。

 

スピーチ、プレゼンを設計するときに、話し手の根本的な目的は「聞き手の認識の変化・変容」を促すことにある、と理解することは、

 

話し手がスピーチ・プレゼンの全体的な構成を考えるうえで一つの指針となると思います。

 

少しでもご参考になれば嬉しいです。

 

 

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