私がスピーチの研究を始めた理由

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「なぜ、自分の考えをうまく表現できないのだろうか?」

「なぜ、話すことは自分にとってこんなに困難なのだろうか?」

「もっと自由に話したり、表現するためにはどうすればいいだろうか?」

 

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30歳になったとき、私はスピーチやプレゼンの本格的な研究や練習を始めることを決意しました。

 

「話すこと」に関して学び始める理由は人によって色々あると思いますが、私が人前で話すための研究を始めたのは、

 

自分が普段考えている事を実際に発話したり、言葉を紡いで表現することについて、強い「不自由さ」の感覚があったことがきっかけでした。

 

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「話すこと」をすると、苦しくなる

 

2010年代、国内外でYoutubeのような動画投稿ができるプラットフォームサイトの利用が一気に増えました。

 

私も早い時期に、個人で情報発信をしようと思い立ち、動画を作ろうとしたり、講座を開催するということを始めていました。

 

ところが、私にはどうしても、そのまま情報発信を続けることができませんでした。

 

「話すこと」全般について、克服するのが恐ろしく難しい障害があったからです。

 

当時、理由が全く分からなかったのですが、誰かに話を聞いてもらうために発話しようとすると、すごく苦しくなって仕方がなかったんですよ。

 

元々、普通の人とのコミュニケーションにも苦労していたのに、それだけでなく、スピーチやプレゼンがどうしても上手くできない、ということも加わってしまいました。

 

なぜ、こんなにも自分は上手に話せないのだろう?

なぜ、自分は話すことをしようとすると、苦しくなるのだろう?

 

上手く話すことができない、という弱点は、日常生活にも支障をきたすため、耐え難いものでした。

 

毎日、この悩みについて考え続けましたが、暫く原因は分かりませんでした。

 

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ASD(自閉スペクトラム症)の特性

 

スピーチやプレゼンの研究を始める数年前のことですが、私は精神医学について関心を持つようになり、色々な書籍や論文を読むようになっていました。

 

これは以前から、私がずっと抱えていた生きづらさの感覚を解消するためで、またその背景にある本当の原因を求めてのことでした。

 

そのなかで感覚過敏や発達障害という言葉を学んだのですが、これらの用語について調べるうちに、これまで自分がなぜこんなにも話すことが上手くできず、苦しく感じてしまうのか、ようやく理解できるようになったのです。

 

発達障害の一つとされている自閉スペクトラム症(ASD)には、様々な症状があることが知られています。

 

DSMの診断基準では、①社会的なコミュニケーションの困難さ、という項目が、②常同行動という項目とともに挙げられています。

 

またこの障がいの主要な特徴の一つに、感覚過敏または感覚鈍麻があり、多くのケースでストレスへの脆弱性が強いこと、ひいてはうつ病のような精神疾患のリスクが極めて高いことが分かっています。

 

そして、ASDのよく知られた特徴には、話すことに関する不器用さまでもがあるのです。

 

聴覚の過敏性があり、精神疾患になりやすく、会話・コミュニケーションの障害があり、発話が苦手である…

 

ASDは私が生きづらさを抱える最大の原因となったものでした。

 

そして、話すこと全般に関して苦しく感じることには理由があり、その背景に隠れていた原因がようやく分かりました。

 

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「話すこと」の不自由さ

 

ただ、こうした原因・背景を精神医学の概念を通じて知ることは、一次的な自己理解には役立つものの、やはりそれを克服することまで可能なわけではありませんでした。

 

スピーチやプレゼンに関しては、やはり何度挑戦しても上手く話すことができず、かえって苦しくなるばかりでした。

 

ただ、この話すことに関する障害を克服することを諦めることはできませんでした。

 

どうしても、自分が学んだこと、考えていることを表現し、人に伝えられるようになりたかったのです。

 

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話すこと全般について、私が経験したものとして

 

話している途中ですぐに息が苦しくなってきたり、疲れて倒れ込んでしまうこと。

人に伝わる声量で話すことが難しいこと、

 

自分の思考のプロセスを上手に言語化ができないこと、自分の体験・知識を統合的に話しようとしても、うまくできないこと、

 

スピーチの途中で「言葉が思い浮かばない」状態になったり、自分が話している内容が急に意識から飛んで消えてしまうことなど、

 

様々な困難がありましたが、これらはすべて「話すことの不自由さ」と表現できるように思います。

 

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ただ、こうした話すことの不自由さがあったことによる恩恵もありました。

 

他の人よりも上手くできないからこそ、「スピーチやプレゼンをマスターしたい」と強く感じるようになったのです。

 

「もっと自由に話し、表現できるようになるために、どうすれば良いだろう?」

 

この話すことの不自由さの感覚があったからこそ、「自由な話し方」をできるようになるために本気で研究を始めることにしました。

 

私にとってのスピーチやプレゼンの研究とは、話すことに関する不自由さの感覚を完全に払拭することであり、自由な話し方・言葉によって表現する技術を習得することであり、話すことに関する完全な自由さを獲得することでもあります。

 

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数年程かけて本気で研究を続けたおかげで、何とか話すことの障害を克服することができました。

 

現在は、どうすれば自由な話し方を実現できるのかを理解することができ、また以前よりもずっと自信をもって話すことができています。

 

あなたが話すことに関心を持つようになったのは、どんな出来事がきっかけでしょうか。

 

もしかすると、これを読んでくれているあなたも、私と同様に話すことに関する不自由さを感じているかもしれません。

 

このサイトで共有していることが少しでもご参考になれば嬉しいです。

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