スピーチやプレゼンを実践するときに直面する最大の問題は、
「人前で話すときに言葉がすらすら出てこない…」
というものだと思います。
以下では、この問題を解決するための基本的なアプローチをご紹介します。
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人前で話すとき、言葉が出てくるようになる方法
まず人前で話すときに言葉がすらすら出てくるようになるために大事な考え方を紹介します。
プレゼン中に言葉がすらすら出てくるようになる方法
プレゼンを行うとき、言葉がスラスラ出てくるようになるためには、
人前で話すときに使える「話し方のパターン」を作ることが重要です。
この「話し方のパターン」は、人前で話すための武器になるもので、
大量のパターンを持つことで、いつでもすらすら言葉が出てくるようになり、スピーチやプレゼンへの苦手意識を払拭しやすくなります。
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言語化プロセスのイメージ
プレゼンにおいて、話し手は、自身の考えやメッセージをスムーズに言語化することが求められます。
この言語化の過程は、少し物騒ではありますが、銃を持つ人が
「銃に弾薬を込め、目標に狙いを定め、トリガーをひく」
一連の動作に喩えることができます。
この「銃のイメージ」でお伝えしたいのは、
弾薬が込められなければ、銃を撃つことはできない
ということです。
裏返せば、弾薬があれば銃を撃つことができることになりますが、これを言語化のプロセスに当て嵌めてみると
弾薬に相当する、大量の「話し方のパターン」があれば、言葉が出てくるようになるといえます。
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プレゼンで使うパターンの具体例
以下では、人前で話すときに使えるパターンの具体的な事例を紹介していきます。
これらのパターンを確認し、あなたのオリジナルのプレゼン用のセリフを作成してみて下さい。
※以下の事例は、基礎的な言葉やキーワードの説明をメインにしています。
経営者の場合
会社の経営者の立場でプレゼンを行う場合、こんなパターンが考えられるかもしれません。
■弊社は、過去5年間で年平均成長率20%を達成し、業界トップクラスの成長を遂げてきました。
■弊社の昨年度の売上高は、前年比15%増加し、〇〇億円に達しました。
■イノベーションは、企業の競争力を維持し、成長を続けるために不可欠です。
精神科医の場合
精神医療のテーマで話す場合、このようなテーマが考えられるかもしれません。
■厚生労働省の患者調査によると、2017年の精神疾患の患者数は419万人にものぼります。
■精神疾患の診断は、詳細な問診、身体検査、心理テスト、時には脳の画像検査を通じて行われます。
■現代の発達障害には、ASD・ADHD、LDが含まれています。
語学の先生の場合
言語や語学についてプレゼンをするときには、次のようなパターンが考えられるかもしれません。
■世界では、5000以上の異なるローカルな言語が存在すると言われています。
■英語は言葉の位置によって格が決まるため語順が厳格に決められるのに対して、日本語には「て、に、を、は」などの格助詞によって格が分かるため、極めて自由な語順をとることができます。
■新しい言語を学ぶときは、漫然と様々な単語をインプットするのではなく、まずは具体的に「どんなテーマで話したり、どんな考えを伝えたいか」という目的を設定し、それを表現できる単語を学ぶのが大事です。
栄養士の場合
栄養学に関心がある場合、このようなパターンが作成できるかもしれません。
■バランスの取れた食事は、健康を維持し、病気を予防するために不可欠です。
■五大栄養素として、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルがあります。
■タンパク質は、さまざまな食品から摂取することができ、体の細胞や組織の構成要素として、筋肉、皮膚、髪の毛などの形成と修復に重要な役割を果たしています。
美容系のテーマの場合
美容系のテーマでプレゼンをする場合、こんなパターンが考えられるかもしれません。
■健康な肌は、約28日間ほどの周期でターンオーバーを起こします。
■髪の毛は、内側からメデュラ、コルテックス、キューティクルという3層の構造でできています。
■紫外線は、肌に大きなダメージを与えます。シミやシワ、さらには皮膚がんの原因となることもあります。波長によって「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類に分かれます。
女性学的なテーマの事例
女性学(フェミニズム)的テーマの場合、こういう事例が考えられるかもしれません。
■フェミニズムは、女性の権利だけでなく、全ての人が平等に扱われる社会を目指す思想・運動です。
■女性が組織の上層部に昇進するのを阻む見えない障壁のことを、「ガラスの天井」と言います。
■男女格差の状況をまとめたジェンダーギャップ報告書のランキングによると、日本は世界146カ国中、2023年は125位、2024年は118位でした。
コーチング
コーチングについて話す場合、このようなパターンが考えられるかもしれません。
■目標を設定するときは、SMARTの法則に従って下さい。このルールでは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性のある(Relevant)、期限付き(Time-bound)という5つを使います。
■目的には2種類あります。一つは他人や社会から押し付けられる外的な目的で、もう一つは、私たちの一人一人の中に眠る内的な目的です。
■思考を変えるためには、過去に考えたことがないような全く新しい質問を自分に投げ掛けることが重要です。
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筆者が使用しているパターン
こちらは、筆者(馬渕)が実際に使用しているパターンの事例です。
■人間は生まれてから大人になるまでの過程で、様々な概念を獲得し、形成し、蓄積していきます。
■二重過程理論の考え方によると、人間の思考には、システム1とシステム2というの2種類のモードがあります。
■認知バイアスとは、問題解決や意思決定のシーンで、物事の判断が直感や経験則によって歪められ、合理的でなくなる認知の傾向のことを言います。
■本来は、薬としての効果を持たない物質によって症状改善の効果がみられる現象を、プラセボ効果といいます。プラセボは、信念が人間の生化学に影響を与えることが分かる顕著な事例です。
■心理学の標準的なテキストによると、人間の記憶は、記銘-保持-想起の3つの段階で進んでいきます。
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パターンの種類はいろいろある
いま幾つかの事例を紹介しましたが、このほかにも自己紹介、利き手への質問、コアストーリー(エピソード)を話す、結論・メッセージを伝えるパターンなどが考えられます。
◆自己紹介のパターン
◆聞き手に質問するパターン
◆過去のエピソードを話すパターン
→【5ステップ解説】プレゼンにおける過去のエピソードの話し方
◆結論・メッセージを伝えるパターン
こうしたパターンの種類が多いほど話し方の自由度が高まり、プレゼンで喋りやすくなります。
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オリジナルのパターンを作成してみよう
これらの事例を参考に、あなたのオリジナルのパターンを作成してみましょう。
ここでは練習として、特定のキーワード(概念)を聞き手に説明するためのパターンを考えていきます。
次のステップに沿って、ワークに取り組んでみて下さい。
ステップ1.キーワードの決定
あなたがプレゼンで使いたい言葉やキーワード(概念)を幾つかピックアップしてみて下さい。
キーワードの事例
より実用的なパターンが作るには、優先順位(プライオリティー)を考えて、使用頻度が高いものを選ぶのがお勧めです。
ステップ2.パターンの作成
そのキーワードを主語にして、説明する文章を作ってみて下さい。
※キーワードを後ろに置いてもOKです。
必要であれば、書籍や論文を参考にして下さい。
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もちろん、ネット記事やchatGPTを利用してもOKです。
ただ、どのメディアを参考にする場合でも、文章が本当に正しいかどうかをチェックするようにして下さい。
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ステップ3.パターンを推敲する
パターンを作成できたら、文章を推敲してみましょう。
実際に声に出して読み上げて、「言いやすいかどうか?」などを確認し、表現を洗練させて下さい。
筆者の場合、発音するのが苦手な音を避けたり、自分の中で余裕をもって話せる文字数(約30~40字)に収めるようにしています。
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まとめ
プレゼンテーションでスムーズに話せるようになるためには、大量の「話し方のパターン」を持つのがおすすめです。
上記の具体的な事例を参考に、自分に合ったパターンを作成してみて下さい。
このようなパターンを持つことで、自信をもって人前で話せるようになり、プレゼンの質を向上させることができます。
少しでもご参考になれば嬉しいです。
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