今回は、プレゼン中に生じる「フィラー」を解消するための考え方をご紹介したいと思います。
フィラーは、会話やプレゼン中に進められる言語化の過程において、様々な原因から生じるノイズのような現象です。
最初は表面的な問題のように見えるのですが、背景にさらに根本的な課題や問題が隠れていることがあります。
この記事では、
①フィラーを解消するうえで大事な3つの考え方
②フィラーの3つの原因&解決方法
この2つのポイントをご紹介します。
この記事は少し分量が多いので、目次を参照しながら必要な箇所を読んでみてください。
フィラーをなくすための方法を考えることは、そのままプレゼンに不可欠な言語化力を高めることに繋がるので、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
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今回は、フィラー解消するうえで大事な考え方をご紹介します!
この記事は、このような方におすすめです。
✓フィラーを減らしたい方
✓話し方の癖を改善したい方
✓プレゼンの質(クオリティ)を高めたい方
✓自信をもって人前で話せるようになりたい方
✓フィラーが原因でプレゼンの内容が伝わりにくいと感じている方
✓言葉を思い出すのに時間が掛かる方
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フィラーについての3つの考え方
フィラーとは、プレゼン中に生じる話し手の本来の意図とは関係がない不要な言葉のことですね。
※フィラーの意味はこちら↓
このフィラーを解消するために、まず以下の3つの考え方が大事になります。
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考え方①フィラーは無意識に生じるもの
考え方②言語化力アップに集中するのが基本
考え方③フィラーは量的な問題なので、最終的には気にし過ぎない
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考え方①フィラーは無意識に生じるもの
まず最初に、最も重要なのが「フィラーは無意識的に生じるものだ」という考え方です。
フィラーは無意識に出てしまう言葉で、話し手が「こんな風に話そう」と意識して喋っているものではありませんよね。
ここから、フィラーには少し厄介な側面があることが分かります。
それは、無意識的なものだからこそ、「フィラーをなくそう」と意識すると、むしろ逆に増えやすくなってしまうことすらある、ということです。
そこで、考え方や意識を逆転させる必要が出てきます。
フィラーは、「フィラーをなくそう」という意識ではなく、あなた(話し手)が
「聞き手に伝えたい考えやメッセージを表現する言葉や文章を、もっとハッキリ話そう(発話しよう)」という意識で練習をすると、解消しやすいです。
これがとても大事なポイントです。
このポイントを、再度次の考え方②で確認していきます。
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考え方②言語化力アップに集中するのが基本
フィラーは、言語化力を高めることで、大幅に減らせる可能性が高いです。
後述の通り、この記事ではフィラーの原因を3つに分類し紹介しているのですが、
(①話し方の癖、②緊張や焦り、③言語化ラグ)
この中でフィラーの原因として一番可能性が高いのは、言語化ラグなんですね。
もちろん、話し方の癖(原因①)があったり、心理的な問題(原因②)があったりするパターンもあるのですが、
言語化ラグ(原因③)をなくす=言語化力アップに集中する!
というのが基本になります。
この言語化力の高め方は、後ほどご紹介します。
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考え方③フィラーは量的な問題なので、最終的には気にし過ぎない
最後の考え方は、フィラーを(最終的には)気にし過ぎない、というものです。
これは、フィラーを放置しましょう、という意味ではありません。
もし大量にフィラーが生じてしまっていると、うまく話せず気になってしまいますし、苦しく感じてしまいますよね。
そのため、対策を打つのは必要です。
ただ、フィラーに限らずですが、自分の話し方についてあまりに厳しく考え過ぎると、人前で話すのが嫌になったり、プレゼンが楽しめなくなってしまうかもしれません。
話し方に関する悩みは、深刻なものの場合も多いため、(プロを目指すのでない限り)完璧主義的に考えないのがおすすめです。
あまり自分を責めないようにする、ということですね。
そして、フィラーは、量的な程度の問題であるという考え方も大事です。
これは感覚的な基準なのですが、最初はフィラーが60~70%くらいの割合で生じていたとして、
最終的に、プレゼン全体で5%以内ほどに抑えられれば、かなり話し方が改選できたことになりますよね。
このようにざっくりでいいのでグラデーションで捉えて、
プレゼンの練習を行ない、フィラーを解消するための対策をすべて打ったら、
それでも最終的に数%くらい生じるフィラーについては、気にしないようにしよう、ということです。
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以上の考えを踏まえて、フィラーの主な原因&対策を確認していきましょう。
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フィラーの主な原因とは?
プレゼン中のフィラーは、何が原因で生じるのでしょうか。
大きく分けると、次の3つのレベル(水準)に対応する、3種類の原因が考えられます。
◆フィラーの主な原因
①発話レベルの問題…話し方の癖
②心理レベルの問題…緊張や焦りなど
③記憶レベルの問題…言語化ラグ
この3種類は、単独でフィラーの原因になっていることもあるかもしれませんが、殆どの場合、複合していると考えて下さい。
例えば、主な原因は③言語化ラグ(70%)だけれど、①話し方の癖(20%)の問題もあり、また本番では②緊張や焦り(10%)も少し感じる、といった具合です。
これらの3種類の原因は仕組みが全く異なります。
そのため、根本的に解消するためにはそれぞれ異なるアプローチが必要です。
各問題への効果的なアプローチを以下で確認していきましょう。
※なお、上記の3種類とはまた別のレベルの原因がある可能性も考えられます↓
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原因①発話レベルの問題――話し方の癖
ここでは、フィラーの原因が「発話レベル」の問題である場合に必要な考え方を解説します。
話し方の癖が生じる「理由」の特定
フィラーの原因が純粋な「話し方の癖」である場合、
話し手(あなた)がもつ「癖」に合わせた適切な発声トレーニングを行うことで、フィラーを減らせる可能性が高いです。
このとき、話し方の癖が生じる「理由」を特定できればベストです。
◆発話の癖を改善する考え方
例えば、五十音図(ア行、サ行、タ行など)を思い浮かべてみると、殆どの人は、発音するのを少し苦手とする音(言葉)を持っていますよね。
そして、「えー」「あのー」などのフィラーを挟むことで、発音するのが難しい音を少し言いやすくしていることがあります。
この場合には、「苦手な発音」をなくす練習をすることが、フィラーを減らすうえで有効かもしれません。
このように、フィラーが生じる背景に、発話レベルで何らかの理由が隠れていることがあるため、
その理由を特定し、柔軟に発声トレーニングのメニューを考えることが重要です。
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語頭の音を強調する方法
フィラー解消に最も効果的な発声トレーニングとして、
プレゼン内で使う各言葉の語頭の音を強調して発声する方法があります。
この方法については、こちらの記事でやり方をご紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。→フィラー解消に効果的な発声トレーニング方法とは?
「フィラーをなくす」よりも言語化力のアップに意識を向ける
「話し方の癖」がフィラーの原因になっていることはよくありますが、
先ほどお話した通り、「言語化力をアップする!」というのが基本の考えになります。
そのため、もし「人前で話すときの言語化力には、あまり自信がないな…」と感じる場合は、合わせて以下の言語化ラグ(原因③)についても読んでみて下さい。
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原因②心理的な問題――緊張や焦りなど
今度は、プレゼンにおける心理的な問題について考えていきましょう。
プレゼンでは、多くの人から同時に視線を浴びるなどして、
普段の生活とは全く異なる特殊な状況下に置かれるため、心理状態がいつもとは変化してしまうことが多いです。
例えば、緊張する、焦りを感じる、自信が持てない、などですね。
こうした無意識の心理的な理由から、フィラーが生じることがあります。
ただ、こうした心理的な面で深い悩みがある場合、解決すべきは心理的な状態の方で、
先ほどの「①話し方の癖の改善」でお伝えしたような、フィラー自体に直接アプローチする方法は後回しでいいと思います。
そのため、ここではスピーチやプレゼンにおける心の状態を改善する方法について、少しだけ触れたいと思います。
心理的な問題を解決するアプローチ
プレゼンで不安や緊張を感じること自体は、決して「悪いこと」ではありません。
ただ、こうした心理状態は、深刻であるほど苦しいものなので、話し手としては、やはり落ち着いて話せるようになりたいですよね。
これはプレゼンに限らずなのですが、心の状態を改善するために、最も重要なのは「認知」だと考えて下さい。
心理状態は、その人が持って生まれた体質や持病、特性や傾向などと深く関係していますが、
こうした不利な条件を持つ人ほど「認知を変える方法」をマスターする必要があるのです。
なぜかというと、人間の認知は、脳のネットワーク配線と結びついていて、それが心の状態にダイレクトに影響を与えるからです。
そのため、例えば、あがり症のような症状でお悩みの方には、心理的なアプローチにより認知を変える方法を習得することをお勧めします。
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心理状態を改善するための具体的な方法
これは別の記事で詳細に解説しますが、自分の認知を変えるうえで効果的な方法は、紙に書きだすタイプのワークに取り組むことです。
具体的には、こんな風に紙とペンを用意し、
次のような質問を投げ掛け、自分の内面との対話をすることで、新しい心理的な気付きを得ることを目指します。
◆考え方の例
「なぜ、自分は緊張するのだろう?」
「自信をもって話せない、本当の理由は何だろうか?」
「自分にとって、失敗するとは具体的にどういう状態だろう?」
「他人からの評価を気にし過ぎていないだろうか?」
「人からどんな風に思われることを恐れているのだろう?」
「焦って話をしてしまうのは、どんな無意識な理由があるだろう?」
「聞き手からの視線に対して、過剰な意味づけをしていないだろうか?」
etc…
こうした質問への答えとして、例えば
「視線が怖い」
「知識が不足している」
「外見への自信のなさ」
「プレゼンの内容に対する批判への恐れ」
など様々な不安や恐れが隠れているかもしれません。
こうした心理的な原因を解消するには、心理的な気づきを得ることが最も重要です。
このプレゼンにおける心理はかなり膨大なトピックがあるため、また別の記事で詳しく扱えたらと思います。
◆参考記事:スピーチの心理学
(coming soon)
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原因③言語化ラグ
最後に、フィラーが生じる最大の原因として、「言語化ラグ」について解説したいと思います。
言語化ラグとは、
話し手(プレゼンター)が自身の考えやメッセージを言葉に置き換えようとする時に生じる「時間の遅れ」のことを言います。
これは先ほどの2つと異なる、記憶のレベルの問題です。
実は、フィラーが生じるのは、主にこの「言語化ラグ」が起きているときだと言えます。
言語化の過程の中で、フィラーは、適切な言葉の代理として生じるもので、
言ってしまえば「時間稼ぎ」としての側面があるのです。
そのため、この言語化ラグをなくそうとすることが、フィラーの根本的な解決方法になります。
※言語化ラグについての資料はこちら
![](https://speech-labo.com/wp-content/uploads/2024/02/467aacefaaf837c8b685e135af822733-160x90.png)
https://speech-labo.com/language-area/
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言語化ラグの解決方法
では、どうすれば人前で話すときすらすら言葉が出てくるようになり、言語化ラグを解消できるでしょうか。
当サイトで推奨しているのは、大量の「話し方のパターン」を持つことです。
この話し方のパターンの事例を、こちらの記事でご紹介しています。
→「人前で話すとき言葉が出てこない…」という問題を解決する方法!
この記事では、言語化の過程を銃のアナロジーによって説明しています。
銃を使うとき、最初に「弾薬」を込めなければ、撃つことはできないですよね。
同様に、人前で話すときには、専用の「話し方のパターン」が必要です。
あなたのオリジナルの「人前で話すための型(パターン)」を作ることで、
人前でもすらすら言葉が出てくるようになり、言語化ラグがなくなり、
最終的にフィラーも殆どなくすことが可能です。
そのため、まずは「話し方のパターンを作る!」ということを意識して頂ければと思います。
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最後に
今回は、フィラーを解消するうえで大事な3つの考え方と、フィラーが生じる3種類の原因&対処方法を見ていきました。
どのケースでも共通して言えるのは、フィラーは、それ自体が問題というより、それ以前に何らかの「理由」があって生じている、ということです。
フィラーが生じている本当の理由を特定できれば、解消に繋がると考えられます。
この記事が少しでもお役に立てばうれしいです。
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